礼砲の数はなぜ21発なのか?起源は?最初は7発だった

礼砲の数はなぜ21発なのか?起源は?最初は7発だった
陸上自衛隊Twitterより

天皇のご即位を内外に宣明する儀式「即位礼正殿の儀」が昨日、無事、皇居宮殿・正殿松の間で執り行われた。台風の影響でパレード自体は延期になってしまったが、即位礼が始まる頃には雨も止み、虹が出るなど空も即位を讃える形になった。この即位礼でちょっとした話題になったのが陸上自衛隊による21発の礼砲だった。礼砲とは空包を発射し、敬意を表す、世界共通の礼式になり、21発は礼砲の中でも国旗、元首(天皇・国王・大統領など)、皇族などに限られた最も格式高い数になる。しかし、「なぜ、21発なのか?」と疑問に思った方もいると思う。その理由を調べてみました。

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礼砲の歴史

軍艦

礼砲という伝統は、火器と大砲が使用されるようになった14世紀まで遡る 。当時の礼砲は大砲を積んだ軍艦によって海上で行われていた。外国の港を訪れた軍艦は、入港する前に大砲が空っぽであることを示すためにすべての大砲を発射した。この頃の大砲は砲弾を1発撃つごとに火薬と弾丸込める必要があり、しかも海上という事もあり、装填作業は安定せず、再装填に非常に時間かかる代物だった。 つまり、大砲の範囲内に入る前に大砲を撃つことで、「空の大砲ですよ」という事を示し友好的な意図をはっきりと示していたのだ。そして、当時の軍艦の大砲の数の基準が”7台”だったこともあり7発が基準になっていた。 16世紀頃にはイギリス海軍の伝統として確立される。 当時、最強を誇った英国海軍は植民地や自分より弱い国に対し最初に敬礼をするよう強要した。硝酸ナトリウムから作られた当時の火薬は、海よりも陸の方が保存しやすく、陸地は多くの火薬と大砲を抱えていたため、軍艦一発の発射ごとに三発ずつ撃つことになっていた。つまり海上からは7発なので3倍の21発になる。これが礼砲21発の始まりだ。しかし、当時はまだ、数の制約はなく、際限なく礼砲を発射することがあった。そこで1675年、当時の英海軍本部書記官長サミュエル・ピープスが経費節減の一環として礼砲の発射数を規定し、最大発射数を21発とした。

7と3の倍数に意味がある

軍艦の最初の大砲の数が7台ということもあったが、7という数字は西洋の占星術と聖書において重要な数字でもあった。古代に7つの惑星が特定され、月の変化の周期は7日ごとでした。聖書では神は天地創造を行った7日目に休んだ。そして3の倍数が選択されたのは、多くの古代文明において3という数字は神秘的な重要性のためだ。3という数字は種の神器やアセンデッドマスター( イエス・キリスト、ブッダ、聖母マリア )など様々な宗教の神格を示す数字でもある。

礼砲の数

礼砲の数は、受礼者の等級によって異なる。

1.国旗、元首(天皇・国王・大統領など)、皇族 21発
2.副大統領、首相、国賓 19発
3.閣僚、特命全権大使、大将(統合・陸上・海上・航空幕僚長) 17発
4.特命全権公使、中将(陸・海・空将) 15発
5.臨時代理大使、少将(陸・海・空将補) 13発
6.臨時代理公使、総領事、准将 11発
7.領事 7発

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