ウクライナ空軍は5月27日、自軍のMig-29戦闘機がロシアのSu-35戦闘機を撃墜したと発表しました。Mig-29は1970年代に開発された第4世代戦闘機であり、2000年代に開発された第4.5(4++)世代戦闘機のSu-35を空対空戦闘で撃墜したとすれば、快挙です。
スペック上はSu-35の性能が上
Today, May 27, at about 2 pm, a MiG-29 fighter of @KpsZSU shot down a #Russian Su-35 fighter in the sky of #Kherson region, which was hunting for #Ukrainian assault aircraft.
— Ukrainian Air Force (@KpsZSU) May 27, 2022
🇺🇦 Glory to Ukrainian pilots!
Death to the occupiers!#ArmUkraineNow#StopRussia pic.twitter.com/cxst5VHhrY
ウクライナ空軍の公式Twitterによれば、5月27日の午後2時ごろ、ウクライナ南部のへルソンの空域でウクライナ軍の攻撃機を索敵していたロシア空軍のSu-35をウクライナ空軍のMig-29が撃墜したと報告しています。これを単純に読み取ればMig-29とSu-35との間で空対空戦闘が行われ、Mig-29が勝者になったことを意味します。だとすれば、これは驚きの結果です。ソ連製の古い機体がロシア製の新鋭機を撃墜したことになるからです。
Mig-29はソ連のミグ設計局で1970年代に開発、1983年にソ連軍で運用が始まった第4世代戦闘機です。アメリカのF-15、F-16に対抗する目的で設計され、延べ1600機以上が生産、東側、共産圏の国延べ30か国で採用され、未だ800機以上が運用されています。
それに対し、Su-35はMig-29と同時期にスホーイ社によって開発された第4世代戦闘機のSu-27 フランカーを大幅にバージョンアップして開発された機体で、2000年代に開発、2014年にロシア空軍で運用が始まった機体は第5世代ステルス戦闘機のSu-57に次ぐ、先進的な機体です。最新のアビオニクスを搭載し、2つのAL-117Sターボファンエンジンと推力偏向ノズル、レーダー吸収塗料、Irbis-Eパッシブ電子スキャンアレイレーダー、IRST (赤外線サーチ&トラック) 、キビニーレーダー妨害システムを搭載。レーダーは400km先のターゲットを検出し、最大30個のターゲットを同時に追跡するなど最新鋭の電子機器を揃える機体をロシアは「第4世代++」または「4.5世代」とカテゴライズ、機体性能はアメリカのF-15E、F-16C、およびF/A-18Eよりも優れていると主張しており、つまり、スペック上の機体性能は第4世代のMig-29を大きく凌駕する機体です。
その上、Mig‐29は空対空戦において戦績が著しくありません。1991年の湾岸戦争では5機、1998~99年のコソボ紛争では6機が米軍、NATOの戦闘機に撃墜され、1999年のエルトリア紛争ではSu-27によって複数機が撃墜されるなど、空対空戦が得意ではありません。撃墜時の詳しい状況は不明ですがMig-29がSu-35を撃墜したとすれば、それは快挙です。
Su-35の撃墜は2機目
Збитий сьогодні під Ізюмом Су-35 🇷🇺 окупантів. pic.twitter.com/njuCB1w14J
— UkrArmyBlog 🇺🇦 (@UkrArmyBlog) April 3, 2022
ロシア空軍のSu-35は4月初旬に初めて撃墜が確認されており、今回の撃墜が事実だとすれば、2機目の損失になります。
SNSよりSNSに投稿された情報によると、ロシア空軍のSu-35戦闘機(NATO名:Flanker-E)がウクライナ領内で初めて撃墜されました。Su-35はロシアの第5世代ステルス戦闘機Su-57に次ぐ戦闘機であり、ウクライナ侵攻[…]