オスプレイがチヌークやブラックホークより優れている点

オスプレイがチヌークやブラックホークより優れている点
出典:防衛省

2020年3月に陸上自衛隊内に自衛隊初のオスプレイ部隊「輸送航空隊」が発足し、5月7日には最初の機体2機が山口県の岩国基地に到着した。新型コロナにより配備が遅れているが今後17機が配備される予定になっている。オスプレイには今のところ武装はされず、主に兵員・物資の輸送、機動力を活かした離島の防衛災害救助の要として運用が開始される。ヘリのような機能を持ちながらヘリと飛行機の良いとこどりといわれるオスプレイ(MV-22 Osprey)だが、どの点がヘリより優れているのだろう。

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倍のスピード

オスプレイは2つの回転翼によりヘリコプターと同じ垂直離着陸、ホバリングが可能になるのだが、ヘリには無い大きな特徴がある。ティルトローター方式と呼ばれる回転翼の角度を変更することができる点だ。回転翼を前方に傾けることで推進力を生み飛行機のようなスピードを得る事ができる。例えば陸自に配備されている多用途ヘリのUH-60JA ブラックホークの最大速度は265km/hだが、オスプレイは倍の520km/hと、UH-60JAの半分の時間で目的地に到達することができる。

広い行動範囲

ティルトローター方式によってもたらされた恩恵がもう一つある。それが航続距離だ。UH-60ブラックホークの航続距離は無積載の状態で2200km。大型輸送ヘリCH-47JAチヌーク(写真下)だと2250kmになる。北海道の北端から東京までの距離が1100kmぐらいなので、稚内~東京間をぎりぎり往復できるぐらいの航続距離だ。たいしてオスプレイの航続距離はそれらを優に超える3600km。例えば小笠原諸島は東京から1000kmの距離にあるのだが、千葉県の木更津駐屯地からチヌークを飛ばしても航続距離的に余裕はなく、天候によっては辿り付けなく、補給なしでの往復はこころもとない。その点、オスプレイの航続距離であれば余裕で往復が可能だ。3tほどの荷物を積んでも1000km以上の航続距離があるので、物資の輸送も可能だ。最南端にある沖の鳥島は東京から約1700kmの位置にあるが、こちらも行動範囲内になる。

出典:陸上自衛隊
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輸送能力

オスプレイがチヌークやブラックホークより優れている点
出典:米海兵隊

自衛隊の輸送ヘリというとタンデムローター式の大型輸送用ヘリコプターCH-47JAチヌークになり、一度に最大55名もの兵員を輸送できる。それにたいし、オスプレイは32名だ。それでも他のヘリと比べれば十分な輸送量にはなるが、チヌークには劣ってしまう。一度に多くの人と物資を運べることは大きな利点だが、有事の場合を考えると、別の見方ができる。一度に多くの人と物資を運ぶことと、できるだけ早く人と物資を届ける事のどちらが大事だろうかという話だ。オスプレイとチヌークの輸送範囲に関しては前述の通りで、スピードに関していうとチヌークの最高速度は267km/hでオスプレイの約半分。オスプレイはどのヘリよりも早く目的の場所に到着し、場所を選ばず、人と物資を送り届ける事ができる。

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変化の激しい現代の戦場においてはスピード、即応性が大事とされる。災害時の人命救助においてもスピードが重要だ。特にこれまで難しかった離島への空から到達が容易になり、離島の防衛、救助にオスプレイの貢献が期待される。

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https://www.mod.go.jp/j/approach/anpo/osprey/futenma/pdf/mv22_pamphlet.pdf

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オスプレイがヘリコプターより優れている点
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