MRAD|米特殊部隊狙撃手用のスナイパーライフル

BARRETT MRAD(Mk21)|米特殊部隊狙撃手用のスナイパーライフル
BARRETT Facebookより

米国特殊作戦司令部(US SOCOM)は2019年に特殊部隊のスナイパー用にバレット社のボルトアクション式ライフルBARRETT MRADを総額5000万ドルの契約をし、今後5年でスナイパーライフルをMRAD、米軍名”MK22”に置き換える予定だ。

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3つのバレルに換装できるマルチライフル

BARRETT MRAD(Mk21)|米特殊部隊狙撃手用のスナイパーライフル
BARRETT Facebookより

SOCOMでは50口径のバレットM82ことM107を使用している。アンチマテリアルライフルともいわれ、重機関銃にも使用される12.7x99mm NATO弾(.50 BMG弾)弾を使用する。しかし、威力は高いが弾も銃も重く、対人狙撃としては威力は過剰だった。2008年には.338ラプアマグナム弾を使い軽量なバレットモデル98Bが登場し、デルタフォースやDEVGRUなど一部の部隊に採用されるもライフルを落としたり、大きな衝撃を与えたりすると、誤って発射する可能性があるとしてリコールされ普及しなかった。バレット社はそのモデル98Bをベースに改良を行い2009年にMRADを開発した。2012年にはNRA(全米ライフル協会)のライフルオブザイヤーに選ばれるなど優れた銃になる。

MRADという名前は”Multi-Role Adaptive Design”の略で、これは”さまざまな状況に対応できるマルチロールモデル”という意味で、その特徴がバレルの換装システムだ。SOCOMが新しいスナイパーライフルを調達する上で挙げた要件が「ボルトアクション」「モジュラー形式」そして「マルチ口径」になる。これらの要件に合致するMRADは3種類の弾丸を使用することができる。一つは軽機関銃やマークスマンライフルに使われる7.62×51mmNATO弾、そして長距離射撃用の.300ラプアマグナム弾(7.62×70mm)、そして超長距離用の.338ラプアマグナム弾(8.58x71mm)の3つ。実際は10個の口径を使用できるが軍では3つに絞っている。最大口径の.338ラプアマグナム弾の最大有効射程は1500m以上で、気候や環境条件によって3000mぐらいまで届く。バレルの換装は簡単で変換キットを使い、チャンバーとバレルは直ぐに分解でき、2分未満で差し替えができる。バレルの変更は、2本のTorx-30ネジを緩め、バレルを交換してから、再度締めるだけ。

これにより、狙撃チームはフィールドにいる間、ミッションの要件や変化によりよく適合するように口径を交換することができる。一見、メンテナンスは大変そうに見えるが、MRADが複数のライフル口径を担うため、複数のライフル、プラットフォームを所持する必要がなく、交換可能な部品に依存するため結果的にメンテナンスと部品のコストを削減される。

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米軍名はMk22

米軍特殊部隊でのネーミングは”MK22 Mod 0”。基本カラーは最近主流のコヨーテブラウン。レシーバーは、AR系ライフルのプラットフォームに似ており、遠目からスナイパーライフルとは判別しにくい。ピストルグリップと折り畳み式バットストックはスケルトンで軽量化され、リコイルパッドを備えている。ハンドガードにはM-LOKシステム、上下にはピカティニーレールが施されバイポッドの装着も可能になる。スコープにはLeupold&Stevens社のMark5HDライフルスコープを採用。10ラウンドのボックスマガジンを使用する。

重量:6.3~6.9㎏
全長:108~125㎝
銃身:51~69㎝

MRAD公式サイト

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BARRETT MRAD(Mk21)|米特殊部隊狙撃手用のスナイパーライフル
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