ブラックホークにもうパイロットはいりません!無人飛行で輸送、人命救助を行う「マトリックス」に成功

ブラックホークにもうパイロットはいりません!無人飛行で輸送、人命救助を行う「マトリックス」に成功
DARPA

アメリカの国防高等研究計画局(DARPA)は無人による自律飛行可能に改修したUH-60ブラックホークで、人による操作なしの完全自律飛行で3つのタスクを達成したことを発表しました。

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DARPAとUH-60ブラックホークの製造元であるシコルスキーは11月2日、アリゾナ州のユマ試験場で10月、ブラックホークの完全自律飛行による輸送任務、および医療緊急救助タスクを実行するテストを完了したと発表しました。

このテストはDARPAが進める「乗務員コックピット作業内オートメーション・システム(Aircrew Labor In-Cockpit Automation System 」、通称ALIASと呼ばれる、ヘリコプターの操縦を自動化するシステム計画の一部になります。この計画はヘリコプターの自動操縦の領域を拡大し、パイロットの負担を軽減するもので、今年2月には無人自律飛行に成功していました。

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Matrix

今回のテストはより、踏み込んだものになり、「Matrix(マトリックス) と呼ばれています。映画『Matrix』を思い起こさせる名前ですが、「The “Matrix Autonomous Technology” 」を意味するもので、完全自動化された無人ヘリコプターとして、遠隔操作といった人間の関与なしに離着陸はもちろん、飛行前のパワー・補助制御・風速チェックなど、すべての飛行手順をAIシステムで実行できるようになっています。

改造されたUH-60Aブラック ホークは、最初に2人のパイロットによる有人飛行で出発点まで飛ばし、そこでマトリックスシステムを起動。無人飛行による輸送や救助活動のテストとして、キャビン、ロープスリングで荷物を運び、高度60mを維持しながら136km離れた指定地点に向けて飛行。道中には峡谷や脅威シナリオを用意していましたが、それらも回避し、100ノット(185km/h)の速度で飛行。途中、指定地点でロープスリングの荷物を開放、そして、目標地点に着くと、今度は怪我人を回収し、医療ステーションまで移送しました。移送の間、機内にあるBATDOK健康監視機器は、負傷者の状態を都度、医療ステーションに送信します。

この取り組みの目標は、パイロットの休息、死傷、戦場での危険などの制約に直面したときに、柔軟に対応できる体制を作ることです。基本は有人飛行ですが十分な数のパイロットを確保できない場合は、パイロットを 1 人にしたり、パイロットをゼロにすることもできます。

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