「ハンドガン」と「ピストル」。どちらも日本語にすると「拳銃」を意味するワードになるが、実は微妙に定義が違うのをご存知だろうか?ハンドガンとピストルの違いについて説明しようと思う。
片手で撃てる銃
ハンドガン、ピストルともに定義は「片手で携行、撃てるように設計、製作、改造された小火器」になる。その点だけでいうと半自動拳銃、リボルバー、デリンジャー、銃床のない単発銃(シングルショット)はハンドガン、ピストルになる。ライフルの用に銃床があり肩に当てて撃つ銃はハンドガン、ピストルとは呼ばない。また、ライフルの場合、バレルは16インチ(40㎝)以上、ショットガンは18インチ(45㎝)以上にする必要があり、それ以下にすることはアメリカの連邦法で制限されている。
ハンドガンは英語、ピストルはフランス語
ハンドガンという言葉は英語だが、ピストルはハンドガンよりも先にできた単語になり、16世紀にヨーロッパで生まれた。由来はいくつか説があり、フランス語のpistolet、チェコ語のpíšťala、イタリア語のpistoleseからきているといわれ、どれも当時使われた銃の起源と手持ちの砲の名前になる。これが、ハンドガンとピストルの違いに関係してくる。
違いはリボルバー
では、ハンドガンとピストルの定義の違いはというと、それはリボルバーを含むかどうかである。ピストルとは「銃砲身と一体となった薬室を備えた銃」になる。先ほどの手持ちの砲から由来する部分でもある。またNRA(全米ライフル協会)ではピストルについて「バレルと薬室(チャンバー)が恒久的に一体となった銃」としている。これでいうとリボルバーはピストルではない。リボルバーは片手で撃たれるように設計されているが、シリンダーが各ラウンドの発射後に回転するため、薬室とバレルが恒久的に一体となっているわけではない。
つまり、ハンドガンは全ての片手銃を指す言葉として正しいが、ピストルの場合、リボルバーは含まないことになる。しかし、実際はハンドガンもピストルも同じ単語として使用している人がほとんどになり、厳密に使い分ける人はいないとされており、リボルバーをピストルというのも間違いではない。