ソ連・ロシアでは昔からAS VALやVKSなど特殊作戦向けにサプレッサーを内蔵したライフルを開発してきた。DVL-10はその系譜を継ぎ2014年に登場したボルトアクション式の無音スナイパーライフルだ。
概要
DVL-10は狙撃銃の開発で有名なロシアのLobaev Arms(ロバエフ・アームズ)が開発したライフルだ。ロバエフは世界最長3kmの射程を誇るSVLK-14Sなどを開発しており、特殊部隊スペツナズ御用達のメーカーでもある。DVL-10はロシア語で”диверсант (diversant)”と呼ばれ、これはサポタージュ(妨害工作員)を意味する。
DVL-10はAS VALなど使われている亜音速バレルを使用して発展させたライフル。亜音速とは音速以下のことで、「12.7×55mm STs-130亜音速弾」と呼ばれる通常よりも重い弾丸を使用し、初速を抑えることで発砲音を抑え、サプレッサーと組み合わせることで発砲音を最小限に抑えることができる。その影響で有効射程は600mとスナイパーライフルとしては若干射程が短いが、無音性と防弾ベストを苦にしない破壊力からロシアでは昔から使用されている。2017年に登場したDVL-10M1は射程800mと亜音速銃としては最大射程を有する。
上部にはピカティニーレールが備え付けられ、多様な光学機器が装備でき、バイポッドは直接バイポッドに装備する形だ。
軽量でコンパクト
見てお分かりのようにDVL-10は余分なパーツがなく、非常にスマートだ。重量は4,100gとスナイパーライフルとしては軽量。パーツには軽いアルミニウムを使い、ボルトアクションなど強度が必要な部分はステンレスを使用している。ストックはスケルトンタイプで軽量化され、折り畳むと1,004mmの全長は703mmとアサルトライフル並みにコンパクトになる。
DVL-10はその特性から都市部の部隊や特殊部隊、警察向けのライフルと思われる。
スペック
口径 | 40口径 |
重量 | 4100g |
全長 | 1004mm 703mm(ストック折畳み時) |
銃身長(バレル) | 400/600mm |
弾丸 | 12.7×55mm STs-130亜音速弾 |
装弾数 | 10発 |
射程距離 | 600m |
弾速 | 315m/s |