F-35Bはソ連のYak-141のコピーという噂

F-35Bはソ連のYak-141のコピーという噂

アメリカの最新鋭第5世代ステルス戦闘機で短距離離陸・垂直着陸可能なSTOVLモデルのF-35B。日本の航空自衛隊も採用する機体ですが、実はこの機体、ソ連で開発されたVTOL機のYak-141のコピーだという噂があります。しかも、勝手にではなく合法的なコピーです。それはいったいどういうことでしょう。

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F-35Bとは

F-35ライトニングⅡはアメリカのロッキード・マーティン社が開発製造するアメリカの最新鋭第5世代ステルス戦闘機です。1990年代に開発が始まり、2015年から米空軍に配備されています。F-35には3つのモデルがあり、主に空軍で運用される基本形のF-35A、空母での運用を想定した艦載機モデルのF-35C、そして、強襲揚陸艦や僻地の滑走路が短い基地での運用を想定した短距離離陸・垂直着陸なSTOVLモデルのF-35Bになります。F-35Bはリフトエンジンの偏向ノズルが90度下を向く3ベアリング回転のピボットCDノズルを採用、排出されるエンジンガスは翼下とコックピット後ろにあるリファイングファンにも送られ、これにより短い距離でも離陸でき、且つ、着陸時は垂直着陸を可能にしています。しかし、これは機体を複雑化し、開発難易度が非常に高い仕組みです。これを、F-35Bより前にソ連が開発していたYak-141が実現しており、アメリカがその技術をコピーしたと言われています。

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Yak-141とは

Yak-141は前身のVTOL機であるYak-38の後継として、1971年にソ連のヤコヴレフ設計局によって開発が始まった機体です。当時、ソ連はVTOLの性能に目を付け、キエフ級航空巡洋艦と呼ばれる事実上の軽空母を開発します。これはアメリカの空母のような全飛行甲板ではなく、アニメや漫画に出てきそうな斜めに配置された特徴的な甲板でVTOLの運用を念頭に設計されています。その艦載機として開発されたのがYak-141になります。

Yak-141にはF-35Bと同様に90度下を向く偏向ノズルを採用したリフトエンジン、更に垂直離着陸用として機体前方に2つのエンジンを搭載、これにより機体は艦載機ながら全長18mと大型化してしまうも、垂直離着陸を実現。さらにリフトエンジンはアフターバーナーに対応、最大速度は1,800 km/hと音速を超え、2100kmの航続距離、最大6発のミサイルを搭載できるペイロード、当時の最新操縦システムであるフライ・バイ・ワイヤ、機首にレーダーを装着するなど戦闘機としては十分な性能を有していました。1987年には初飛行、1989年にはホバリングにも成功、1990 年6月には、垂直離陸から高速飛行、そして垂直着陸と一連の飛行を達成。1991年にはキエフ級航空巡洋艦バクーの飛行甲板で艦上離発着も成功します。しかし、これから配備に向けた量産という時にある出来事が起こります。

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ソ連の崩壊により生産中止

1991年12月、ソビエト連邦が崩壊します。国は混乱に陥いり、財政難に。Yak-141のような新しい兵器の開発生産する資金的余裕はなく、試作機4機が生産されただけで、開発計画は中止。艦載機として搭載する予定だったキエフ級航空巡洋艦5隻(内建造途中1隻)も財政難で整備が行き届かず、売却され、Yak-141の計画は完全に消え失せます。

Yak-141のVTOL技術に目を付けたアメリカ

Yak-141の計画は中止されましたが、VTOL機としては非常に優れた機体でした。その技術に目を付けたのがF-35を開発したアメリカのロッキード・マーティン社で、当時、資金繰りに苦しむヤコヴレフ設計局に対し、数十億ドルの資金援助を行いました。この取引は公表されている事実です。ロッキード社はその見返りとしてヤコヴレフの技術にアクセスし、実際に工場を訪れるなどして技術評価を行ったとされます。もちろん、そこにはYak-141があり、Yak-141のVTOL技術についてもロッキード社は見ているわけです。しかも、それをハッキングやスパイをしたのではなく、合法的に得たことなります。Yak-141の機体や技術を見たロッキード社がそれをコピーしてF-35Bを開発したというのが噂の根源です。

しかし、F-35BとYak-141が似ているのは両機で採用されている90度に可変する偏向ノズルを採用したリフトエンジンを使用している点です。F-35Bはリフトエンジンとファンによってホバリングし、Yak-141はリフトエンジンとそれとは別の2つのエンジンでホバリングしており、仕組みが異なるのでコピーと言うのは少し飛躍しています。コピーしたとしても偏向ノズルの部分だけになるでしょう。実際、コピーしたかどうかは定かではありません。ヤコヴレフの技術を得る前から、ロッキード社は3ベアリング回転ノズルを実現していたという情報もあります。しかし、Yak-141にインスピレーションを受け、参考にしている可能性は大いにあります。

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F-35Bはソ連のYak-141のコピーという噂
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