スマホを使っただけなのに。兵士が任務中にスマホ・携帯を使うとどうなる?

Photo by Senior Airman Daniel Hughes

現代の生活には切っても切り離せないスマートフォン。肌身離さず持ち歩き、時間があればスマートフォンをいじってると思います。それは日頃厳しい訓練と危険な任務に就く軍人でも一緒です。しかし、任務中は基本、私物のスマホは携帯できません。そもそも、任務中は厳格な電波統制が取られており、通信は決まった専用通信回線でしかできません。それを破り任務中にスマホを使えば自身に危険が及ぶだけではなく、所属する部隊、大隊や師団さえも危険に晒す可能性があります。

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SNSに投稿するだけでも危険

Photo by David Bedard

インスタやTikTokで軍人の写真や動画を見ることはないでしょうか?自宅や基地でのリラックスした画像もあれば、訓練中か任務中なのか思わせる全身フル装備の画像もあります。まれに実際の戦地をおもわせる投稿も。実はそんな何気ない投稿が部隊を危険に晒します。

まず、軍服を着た写真は自身が軍人であることを証明します。そして軍服の部隊章が見えれば所属部隊が分かります。SNSであれば友人情報から芋づる式に同僚の軍人が把握できます。スマホで撮った写真には気づかないうちに位置情報が紐づけられていたり、わざわざ位置情報を付ける人さえもいます。それによって配属基地や任務地が分かります。また、位置情報がなくても、画像や動画で見える景色で場所を特定することができます。最悪、スマホをハッキングされると常に位置情報を監視されることなります。

そうやって敵対する軍や組織の兵士の不用意な投稿から、敵部隊の位置を割り出し、攻撃すること可能になります。現在、このようなサイバー戦が熾烈です。

アメリカでのTikTokの利用の問題もこれが一端です。

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スマホ向けのショートビデオのプラットフォームアプリ「TiKTok(ティックトック)」。世界的なプラットフォームとなったこのアプリについて、アメリカ政府・国防総省は国家の安全保障上の脅威となる可能性があるとして調査を検討している。

実際にあった影響

実際、イスラム国は米軍兵士がSNSに投稿する写真や動画を見ては、映る背景から部隊や基地の特定の位置を割り出し、砲撃を行っていいたとされます。イギリス軍では特殊部隊のSAS隊員が配備されている基地でのランニング記録を投稿したことで、秘匿が基本のSAS隊員と身バレしてしまうといった事案もありました。

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軍の中でも規律が緩いとされるロシア軍では任務中に兵士が度々SNSに投稿。2014年のクリミア危機では作戦中にも関わらず、現場の写真や動画を投稿。当時、ロシア軍はウクライナへの軍事介入を否定していましたが、兵士によるSNSの投稿が証拠になり、国際社会から批判されることになります。

1999年の第二次チェチェン紛争では携帯電話によってロシア軍は多大な被害を受けることになります。ロシア装甲旅団の司令官の携帯電話がチェチェン軍によって監視されていました。司令官は携帯電源を入れたまま作戦に従事。チェチェン側は携帯電話から送信される司令官の座標情報をもとにロシア軍の行軍ルートを予測します。ルート上に待ち伏せしたチェチェン軍は対戦車兵器で装甲旅団に壊滅的な被害を与えます。失態はこれだけではありません。
第58軍の司令官が最前線の指揮官に連絡できなかったため、通信員の携帯電話を使用して指揮官の電話に直接電話します。チェチェンの電子監視ユニットは、通話の音声を傍受し、司令官の身元を確認。発信元から司令官の正確な位置を把握し、152mm榴弾砲で司令部を直接攻撃しました。司令官は重傷を負い、副司令官と交代するなど指揮系統が混乱することになります。

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スマホの携帯は禁止

このような事もあり、外地での作戦任務に就くときはスマホの携帯を禁止する動きが各国では広がっています。2020年1月には米軍は中東での任務に就く米陸軍第82空挺師団第1旅団戦闘団に対してスマートフォンや個人用情報デバイスを米国に置いてくるように命令します。ロシアにおいては2019年に法律で軍関係者が自分自身や同僚に関することをSNSやネット上に投稿することや、音声、写真、動画、位置情報をネット上に投稿可能な機器の使用を禁止しました。

現在は各国サイバー攻撃に力を入れており、敵国の兵士のスマホのハッキングに躍起です。また、間接的な投稿やタグ付けでも、そこから辿られることもあるので、自衛隊員や軍人さんの知り合いがいる方はSNSに投稿際は気をつけましょう。

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スマホを使っただけなのに。兵士が任務中にスマホ・携帯を使うとどうなる?
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