K12は大韓民国軍が1950年代から使用してきたM60機関銃を置き換える新しい汎用機関銃で、歩兵部隊の分隊支援火器、車載・ヘリの搭載火器として今後数年にかけて配備される予定の銃です。
M60に代わる新しい機関銃
韓国軍は1950年代に米国に協力してベトナム戦争に参加します。その際に米国からライセンス供与うけて7.62mmM60機関銃(写真上)が大宇精密産業によって生産されます。K60は歩兵の分隊支援火器、戦車や装甲車がの車載機銃、ヘリの銃座に採用されます。その後、1989年にFN MINIMIの韓国版といわれる5.56mmK3機関銃が誕生、M60から歩兵の分隊支援火器はK3に置き換わります。だが、M60の7.62mmの威力と射程は必要であり戦車、ヘリの機銃として、その後も使用され続けます。しかし、M60の老朽化が進む中で新しい車載用の機銃の必要性に迫られ、K3を開発した韓国のS&T Motiv社によって2010年に7.62×51mmNATO弾を使用するK12汎用機関銃の開発が始まります。
2012年に標準兵器として採用されると、韓国軍の汎用ヘリKAI KUH-1 スリオンに搭載されます。今後、2300輌の戦車・装甲車に搭載されているM60もK12に置き換わる予定です。歩兵用としても軽量化されたK12-C2が開発されましたが、2018年に韓国国防省の評価で不適合判定を受けて、配備が一端延期、その後、2020年10月に歩兵用の分隊支援火器として採用する事を韓国軍が発表しています。
スペック
K12は、FN MINIMI(K3)をベースに開発されており、ガスピストンと回転ボルトを使用したベルト給弾式の機関銃で差し込み式のマガジンを使用することはできません。レシーバはアルミニウム合金のフィードカバー付きのスチールプレス製です。K12は7.62×51mmNATO弾で仕様で重量は10.4 kg、長さは1,234 mm、有効射程は800 mです。MINIMI同様、バレルの交換が容易になっています。
K12には、折りたたみ式バイポッド、クイックチェンジバレル、ガスレギュレータ、およびフラッシュサプレッサ、折畳み式のフロントサイトが搭載されています。
アッパーレシーバーとハンドガードの両側にはMIL-STD 1913ピカティニーレールに取り付けられており、光学照準器が搭載可能です。
K12は基本形のK12-C2、歩兵用に1.5kg軽量化、4段階調整可能なストックが付いたK12-C1、車載・ヘリ搭載用のK12-C3の3タイプがあります。
スペック
口径 | 7.62mm |
重量 | 10.4㎏ |
全長 | 1234mm |
銃身長(バレル) | 560mm |
弾丸 | 7.62x51mmNATO弾 |
発射速度 | 650-950発/分 |
射程 | 800m |