アメリカの無人機メーカーであるジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ(GA-ASI)のリンデン・ブルーCEOは本日、自社サイトで声明を発表。僅か$1で自社の無人機2機をウクライナに売却すると発表しました。
GA-ASIは米空軍が運用する無人攻撃機のMQ-9リーパーシリーズやMQ-1Cグレイ・イーグル、海上保安庁が昨年導入、海上自衛隊が導入を予定する無人偵察機MQ-9Bシー・ガーディアンの開発生産するメーカーで、大型の軍用無人機に関しては世界のトップメーカーです。
アメリカはこれまで小型の無人偵察機やスイッチブレード300/600といった自爆ドローンを提供してきましたが、MQ-9といった長距離・高高度飛行可能な大型の無人機に関してはウクライナからの要望がありながらも提供を拒んでいます。これに業を煮やしたのかリンデン・ブルーCEOは本日、声明を発表したのかもしれません。CEOは各国が続々と支援を送る中、長距離飛行可能でスタンドオフ検知可能な無人航空機システムの支援を見落としていると指摘。同社はロシアの侵攻当初から、MQ-9リーパーやMQ-1 Cグレーイーグルを提供する方法を模索していました。同社は過去30年間、1,000機以上の無人機を納入し、800万時間近く飛行、そのほとんどが敵対的地域の中で行われており、その効果を実証してきたと述べています。それを踏まえ、同社は自社で保有している練習機のMQ-9リーパーとMQ-1 Cグレーイーグル各1機、計2機を1ドルでウクライナに提供すると申し出ました。その中には必要な基地局、管制システム、そしてオペレーターと整備士への訓練と教育も含まれます。しかし、機体の戦闘準備、ミサイルといった必要な装備、ウクライナへの輸送などは我々の管轄外とも述べています。
MQ-9リーパーの価格は現在3200万ドルとされ、ここ数年で価格は倍になっています。これをほぼ無償で手に入れることができるわけですが、ウォールストリート・ジャーナルの報道によれば、2機のキーウまでの移送に約1,000万ドル、メンテナンスに毎年約800万ドルを費やさなければならず、多額の費用が掛かることには変わりはなく、かつ各1機だけでは費用対効果が良くありません。
提供の承認権限は米国政府にあり、バイデン大統領が「イエス」と言わない限り、この無人機がウクライナに渡ることはありません。
US Air Forceウクライナは先週ワシントンで、アメリカの軍用無人機メーカーのGeneral Atomics(ゼネラル・アトミックス)社と会談を行い同社が開発製造する軍用無人機であるMQ-9リーパーUAVの提供について交渉を[…]
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