ナビゲーションベルトは、360度の振動触覚を使用して方向を伝えることによってナビゲーションする、新しい直感的なミッションナビゲーションシステムになる。もしかすると今後、歩兵の標準装備になるかもしれない。
ナビゲーションベルトとは
ミッションナビゲーションベルトを開発したのはオランダのウェラブル機器を開発するELITAC社。この会社には日本の帝人が出資するなど今、注目のスタートアップ企業だ。
ナビゲーションベルトはオランダ国防省と協力して開発された腰に巻く軽量タクティカルベルトだ。しかし、通常のタクティカルベルト違うのはベルトの中に小型の振動モーターが内蔵されている。このモーターが駆動するとベルトに細かい振動(バイブ)が起きる。これはベルト360度に振動を与えて調節することができる。この仕組みを利用して目的地の方角を振動を使って伝えるのがミッションナビゲーションベルトの目的になる。真っすぐに進むのであれば、正面の方向、おへそのあたりを振動させ、右上の方向であれば肝臓のあたりを振動させるといった形だ。
ナビゲーションベルトのメリット
サバゲーで無線を使う人も多いと思うが、無線のデメリットは音声を受信中に聴覚を失われてしまうことだ。音声による指示を正確に確認するために兵士は無線に集中する。その時、どうしても周囲の注意力は弱まり、聴覚も奪われるので状況の変化に気づきにくくなる。タブレットやスマホに関しては画面を操作したり、マップを確認するには視界はどうしても一点集中し、下を向いてしまう。その上、両手も取られてしまうので、突発的な事象に対応できない。このように現行のシステムでナビゲーションを受けるには聴覚または視界を犠牲にする必要があった。しかし、ナビゲーションベルトであれば直感的な振動で方向を伝えることができるので、耳、眼、両手が常に開放された状態でナビゲーションを受けることができるようになる。指示を受ける間も五感をフルに周囲の警戒に当てることができる。
オランダ軍に配備
数年の開発期間を経て、ELITAC社とオランダ軍との間でフィールドテストも終え、その戦術的価値は立証されている。オランダ国防省の軍事システムVOSSシステムとも互換性がある。オランダ海軍は7月に最初の納入分を受け取っており、近々、実部隊での運用が開始される。
https://www.dutchdefencepress.com/elitac-wearables-bezorgt-eerste-mission-navigation-belt-order-aan-de-koninklijke-landmacht/
https://elitacwearables.com/mission-navigation-belt/