北朝鮮、ロシアの協力でIl-76輸送機を空中早期警戒機A-50に改良か

北朝鮮、ロシアの協力でIl-76輸送機を空中早期警戒機A-50に改良か
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衛星画像の分析によると北朝鮮がロシア製のIl-76大型輸送機を改良して空中早期警戒管制システム(AWACS)A-50を開発している疑いがあることが分かった。

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ジェームズ・マーティン不拡散研究センター(CNS)のデッカー・エベレス氏による最近の衛星画像分析によると、北朝鮮の平壌国際空港に駐機してある軍用輸送機Il-76の機体上部にロトドーム(回転レーダードーム)のような円形の物体を追加する改修工事が行われていることが確認されており、これは同機を空中早期警戒管制機(AWACS)や空中早期警戒機(AEW)の開発を示すものとされている。実際、ロシア空軍が使用する早期警戒管制機A-50はIl-76をベースにした機体であり、事実であれば北朝鮮がA-50を手に入れることになるかもしれず、北朝鮮の防空網は大幅に強化されることになる。

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ロシアの協力か?

ただ、AWACSは空中司令部と言われるように高度なレーダー、データリンク、通信システムが必要であり、それらを北朝鮮が単独で開発できる筈もなく、かつ、国連の制裁によって国外から調達することも不可能である。そこで疑われているのがロシアの協力である。ロシア製であるIl-76を使用していることからも、ロシアの協力なしで、独自に開発することは不可能だ。北朝鮮は最近、ロシアに大量の砲弾を供与したとされており、その見返りとしてA-50の開発協力というのも無い話ではないが、ロシアが早期警戒システムに必要な部品を北朝鮮に移転したという直接的な証拠は現状ない。

Il-76は高麗航空の機体

北朝鮮には3機のIl-76があるとされており、3機全てには北朝鮮唯一の航空会社「高麗航空」のカラーリングが施されており、貨物機として使用されている。しかし、Il-76は北朝鮮が保有する航空機としては唯一、軍事装備貨物を輸送できる機体でもある。高麗航空は国有会社であり、高麗航空と関連するすべての飛行場は朝鮮人民空軍の管理下にあり、Il-76は軍事パレードや空挺部隊の訓練に度々利用されてきた。

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