古いA-10攻撃機は中東に送られ、戦闘機はロシア、中国近辺に配備される

古いA-10攻撃機は中東に送られ、戦闘機はロシア、中国近辺に配備される
USAF

WSJの報道によればアメリカ空軍は中東に配備してあったF-15やF-16といった高性能の戦闘機を対ロシア、対中国向けに再配備しており、その代わりにA-10サンダーボルトII攻撃機を中東に送ります。

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ロシアによるウクライナ侵攻、中国による海洋進出で、ヨーロッパ、東アジアにおける緊張が高まる中、米軍は中東に展開していた戦闘機をヨーロッパ、アジア方面に配置転換しています。しかし、それによって、中東の米軍の戦力が手薄になっており、米国中央軍(CENTCOM)の責任者であるマイケル・エリック・クリラ大将は、3月23日に開かれた下院軍事委員会への証言で「航空資産の追加が必要である」と述べ、A-10サンダーボルトII攻撃機の追加配備が承認されたことに言及しました。追加のA-10は4月に中東に配備される予定です。CENTCOMは中東に2.5飛行隊分の戦力を求めています。1飛行隊は12機になり、現在、30機の必要戦力を下回っていますが、A-10の配備により、これを満たします。CENTCOMは同様に手薄な海軍と地上部隊の追加も要求しており、A-10の配備は中東における米軍の再編の計画の一部です。

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中東はA-10で十分

現在のアメリカの目下の脅威は中国です。巨大な戦力を抱える中国と事を構えるに至った場合、主戦場になるのは洋上であり、戦いの中心になるのは船と航空機です。実際の戦闘は中長距離の巡航・対地・対空ミサイルによって行われますが、それらの武装を近接航空支援を主な任務とするA-10は搭載できません。対中国に必要なのはこれらのミサイルを搭載でき、兵装が多様なF-15、F-16、F-35と戦闘機です。その点、中東での目下の敵はイスラム国(ISIS)の残党です。米軍はISISの掃討とISISと戦う組織を支援するために900人規模の部隊をシリアに駐留させています。

イスラム国は航空機やミサイルを有しておらず、満足な対空兵器も持っていません、いわゆる軍事力差がありすぎる非対称戦争と言われるもので、彼らを相手にする場合、F-15やF-16ではスペック過多であり、運用コストが安く地上攻撃に特化したA-10で十分ことが足ります。

中東ではイランも脅威ですが、彼らが保有しているのはF-5やF-14といった古い機体ばかりで、今のところ米軍の対空ミサイルで対応できます(ロシアからSu-35戦闘機を受領することが決定しているが次期は未定)。

A-10サンダーボルトII攻撃機は今年、21機の退役が決定しており、米空軍は2029年までにA-10の全機退役を計画しています。

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USAFアメリカ空軍のトップは7日、2029年までにA-10サンダーボルトII攻撃機を全機退役させる計画であると述べました。長年、米空軍に従事してきたA-10は2020年代に終焉を迎えるかもしれません。[adcode][…]

米空軍は2029年までに全てのA-10サンダーボルトを退役させる計画を発表
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Source

https://www.wsj.com/articles/u-s-to-send-aging-attack-planes-to-mideast-and-shift-newer-jets-to-asia-europe-df72da15

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