ロシア、Su-24Mを破壊するために極超音速ミサイル「キンジャール」を使用

ウクライナ空軍のSu-24
写真 ウクライナ国防省

ロシア軍はウクライナ空軍が保有するSu-24M戦闘爆撃機を何としてでも破壊すべく、極超音速ミサイルのキンジャールを使用した。

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7月26日、ロシア軍はウクライナに向けて大規模なミサイル攻撃を実施。その時の標的の一つになったのが、西部のフメリニツキー州のスタロコスティアンチニウ空軍基地だ。この基地にはウクライナ空軍のSu-24M戦闘爆撃機が収容されている。ロシア軍はこのSu-24Mをどうしても破壊したかったのか、虎の子の極超音速ミサイル「Kh-47M2 キンジャール」4発を使用した。しかし、ウクライナ空軍司令官ミコラ・オレシュチュク氏によれば、ウクライナ防空部隊が36個のミサイル・空中標的の無力化に成功したと発表、Su-24Mも無事だったとされている。

では、なぜ、ロシア軍はこのSu-24Mを破壊したかったのか。もちろん、航空優位性を得るためには邪魔な敵航空戦力、空軍基地は叩きたいところだが、Su-24Mを叩きたいのにはもう一つ大きな理由がある。それが巡航ミサイル「ストームシャドウ/SCALP」の存在だ。イギリスとフランスから提供された射程250km超えの巡航ミサイルは供与がはじまった5月から著しい戦果を上げている。ステルス性が高いこのミサイルはロシア軍の防空網を掻い潜り、前線より後方にあるロシア軍の軍事拠点、インフラを攻撃。クリミアとヘルソンを繋ぐ重要な橋の破壊やロシア上級司令官の殺害、クリミアのロシア軍車両修理工場、弾薬庫の破壊など成功を収めており、ロシア軍はこのミサイルに手を焼いている。

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しかし、この空中発射式の空対地ミサイルは運用上の大きな弱点がある。それがSu-24M戦闘爆撃機でした運用できない点だ。ウクライナのレズニコフ国防大臣はストーム・シャドウが発射可能なプラットフォームは6機と述べており、ウクライナ空軍はこの機体を僅か数機しか持っていない。1機でも破壊されれば、ストームシャドウ/SCALPの運用に大きな支障をきたすことになる。Su-24Mは250kmというミサイルの長い射程を活かし、ロシア軍の防空網の射程外から攻撃するため、飛行中の撃墜は難しい、そこで、駐機中の間を狙って攻撃をしかけたのであろう。しかし、それは失敗に終わった。

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