SOCOMと海兵隊は、M2とM240の間の口径のギャップを埋める新しい軽量中口径機関銃を探している

SOCOMと海兵隊は、M2とM240の間の口径のギャップを埋める新しい軽量中口径機関銃を探している
ブローニングM2(US Army)

アメリカ特殊作戦軍SOCOMと米海兵隊は、12.7mm口径のM2機関銃ほど重くないが、7.62mm口径のM240機関銃よりも高い火力を持つ軽量中口径機関銃を探しており、特別入札を開始した。

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M240(US Army)

ビジネス・インサイダーの報道によれば、アメリカ特殊作戦軍SOCOMと米海兵隊は.50口径といわれる12.7mm口径のM2重機関銃と7.62mm口径のM240の中間となる軽量中口径機関銃(LWMMG)を選定するための特別入札を開始した。SOCOMと海兵隊が求めているのは歩兵が持ち運びできる軽量の機関銃で.50口径と同等の射程、精度を持つ新しい機関銃だ。

現状、米軍で使用されている歩兵が携行できる機関銃で最も威力が高いのは7.62mmNATO弾を使用するM240だ。1970年代から使用されており、何度もバージョンアップを重ねながら半世紀以上に渡って使用されている。しかし、既に射程距離と殺傷力は限界に達していると考えられている。米軍は、アフガニスタンでの戦闘で、射程距離が約1,500mのM240機関銃の射程限界に気づき始めた。光学器機や兵器の発展に伴い戦闘距離は伸びており、より射程の長い兵器が必要になっている。M240より射程が長い機関銃というとブローニングM2重機関になる。12.7mm弾を使用するM2の射程は2,000m以上、軽装甲の車両にも打撃を与えることができる。安定した精度と威力と射程により第一次大戦末期に開発されたM2は一世紀以上に渡って使用されている。しかし、重量は約40kgと歩兵が持ち運べるものではなく、車両などに搭載し、銃座に固定しての運用が主になる。また、対歩兵戦という点では威力が過剰であり、弾薬も歩兵が携行する上では大きく重い。

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中間口径として有力視されている.338ノルマ・マグナム弾

特殊部隊向けに開発された.338汎用機関銃REAPR
©Ohio Ordnance Works

SOCOMと海兵隊は重量12.5kgのM240の携行性にM2に近い威力や射程を組み合わせた新しい軽量中口径機関銃(LWMMG)を配備したいと考えている。その中口径として最も有力視されているのが.338ノルマ・マグナム弾を使用する機関銃だ。スウェーデンのノルマ社によって開発された弾薬の口径は8.6×70mmになり、スナイパーライフルに使用される長距離弾丸になる。射程は2000~2500mにも及び、機関銃で使用できればスナイパーライフルと同等の威力を持ってフルオートでの弾幕を張ることができる。射程だけで言えばM2機関銃と同等だ。そして、既に.338ノルマ・マグナム弾を使用した機関銃は既にいくつか開発されている。そして、今回の入札で競争になると目されているのがSIG Sauerの「MG 338」、オハイオ・オードナンス・ワークスの「REAPR」、True Velocityの「RM338」だ。その中で最も有力視されているのがSIG Sauerの「MG 338」になる。既にSOCOMに対して導入実績があるのと、米軍の次世代小銃と分隊支援火器であるNGSW、米軍の標準拳銃であるM17/M18を供給している。ただ、一社に集中しすぎるのはリスクヘッジの観点から避けられる可能性もある。True VelocityはNGSWの選定で敗れており、挽回に燃えている。また、設計がM240によく似ていると利点がある。

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SOCOMが求める要件としては2,000mの有効射程、.338ノルマ・マグナム弾の口径、24インチバレル、11kg未満の重量、500~600RPMの発射速度、サプレッサー付きおよびサプレッサーなしのバレル、軽量三脚 (M240 マウントを使用可能)、光学機器/アクセサリ用のレール マウント システムなどがある。SOCOMは10月1日までに選定する予定だと述べており、2024年度中に最初の納入が開始される予定だ。

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