新型コロナは軍の訓練にまで影響を及ぼしており、人が多く集まる演習などは中止されている。また、戦車といった密の状況になる訓練も最小限に抑えられている。そんな状況を少しでも打開すべくアメリカ陸軍の戦車兵はオンライン戦争ゲーム『War Thunder(ウォーサンダー)』で訓練の空白を埋めているようだ。
戦車シミュレーターとして活用
米陸軍内おいても新型コロナ感染拡大を防ぐためのソーシャルディスタンス(社会的距離)が保たれている。戦車といった車両系は3~4人が狭い車両に密の状態になるため、距離を保つためには訓練することが難しい。しかし、長期間訓練から遠ざかれば感覚は鈍り、いざ有事の時に対応できなくなる。では、今の状況でどう訓練すればいいのか。米陸軍サイト(US ARMY)によるとD中隊、第6戦隊、第9騎兵連隊、第3装甲旅団戦闘チーム、第1騎兵師団の戦車クルーはオンラインゲーム『War Thunder』による訓練に切り換えた。
訓練にシミュレーションゲームを用いる事は今時珍しいことではない。戦車クルーは日頃から、複数の戦車の仮想環境シミュレーションで接近戦闘戦術訓練や先進砲兵訓練システムを使って訓練を行っている。しかし、現在の新型コロナの影響で従来の仮想環境で訓練することも難しい。そこで訓練官たちは兵士を訓練するための新しいを方法を見つけなければならなかった。
ここ数週間、戦車クルーたちは、戦車を含むさまざまな軍事環境をシミュレートしたオンラインゲームを使って、さまざまな訓練イベントを行っている。
「このアイデアは、軍隊を保護するために訓練の機会が制限された後に生まれた。」と部隊司令官のマイク・マヌーギー中佐は述べた。
上官たちは集まってさまざまな選択肢を検討し、いくつかのテストを行った後、トレーニングと準備を維持するためのどのゲームが自分たちのニーズを満たしているかを判断してWar Thunderを採用した。
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開発元もキャンペーンを開始
これを受けて、開発元のGaijin Entertainment(ガイジンエンターテイメント)社は今週末、ヨーロッパ、ロシア、アメリカの三つの代表的な国を一つを選んでもらう「Quarantine Maneuvers(隔離演習)」というイベントを開催している。参加するには、最低1台のTier V車両のロックを解除する必要があるが、解除すると、各国の関連車両がすべて自動的に使用可能になる。
War Thunderがパンデミック中に現実的なシミュレーションとして使われたのはこれで二度目になる。その前は第二次世界大戦の映画の撮影シーンに使われている。
War Thunderはロシア製
開発元のGaijin Entertainment社はロシアのゲーム会社になる。くしも米国の仮想敵国の会社が作ったゲームになる。米政府、軍高官は兵士がオンラインゲームやSNSアプリが使う事で兵士の個人情報や軍の情報を流出することを危惧している。最近では中国企業が開発した世界的人気の動画アプリ『TikTok』の兵士の使用を禁止している。
[adcode]スマホ向けのショートビデオのプラットフォームアプリ「TiKTok(ティックトック)」。世界的なプラットフォームとなったこのアプリについて、アメリカ政府・国防総省は国家の安全保障上の脅威となる可能性があるとし[…]
戦車の操縦スキルとゲームスキルがどれほど関連性があるか分からないが、ゲームのスコアが悪いと戦車操縦も下手と見なされてしまうのだろうか?
今頃ゲーム内では本物の戦車兵同士による米国vsロシアの仮想戦争が始まっているかもしれない。
https://www.army.mil/article/235085/soldiers_maintain_readiness_playing_video_games