皆さん、お気づきだったろうか？米軍兵士のユニフォームの右腕部分に張り付けられているアメリカ国旗のフラッグパッチのデザインが逆向きなのを。国に忠誠を誓う軍人が最も敬意を示さねばならい国旗がなぜ？逆向きなのだろう？
本来のアメリカ国旗のデザイン
上が本来のアメリカ国旗になる。アメリカの州の数を表す50の星のマークが左側に来るのが、アメリカ国旗の正しい構図になる。冒頭の写真と見比べてもらうと、違いは明らかだ。
最も権威があるのは星
アメリカ国旗において最も重要なの左側の星になり、いかなる時も国旗を掲揚する際、旗竿は必ず星がある側に来なくてはならず、下に垂れ下がるようなことがあってはならない。オリンピックなど旗を下向きに掲揚する時は星は上に配置されることになる。実はこれがユニフォームの米国パッチが逆なことに起因しているのだ。
星は常に先頭
風が右に向かって吹けば旗は右になびき星は左側になるが、風は常に一定方向に吹いているわけではない。風が右から左になびけば、星は右側に来る。右でも左でも同じことは星は風に対して常に先頭にあるということだ。兵士は常に前進せねばならず、着用、持つ国旗は常に前を向いていなければならない。米陸軍の規定でも「フルカラーのUS国旗のレプリカは、スターフィールドが前を向くように、またはフラッグ自身が前を向くように着用しなければならない。」と記されている。
フラッグバッジは右腕にしか付けられない
ここで抑えておかねばならないのは、フラッグパッチが右腕に着用されている点だ。米陸軍と空軍、海軍の戦闘服、作業服ではフラッグバッジを右袖に着用している。なので旗が前進する方向に先頭に来るようにするには逆旗である必要がある。一部のユニフォームでは左腕に付けることもあるようだが、その時は星が左にくる従来の国旗のパッチを装着せねばならない。ちなみに米海兵隊ではフラッグパッチを着用していない。
これはユニフォームに限ったことではなく、例えば車体の右側に国旗をペイントするのであれば、同様に逆旗で描かなければならない。左右対称の国旗である我々日本人にはない考えだが、左右非対称の国旗の国では、構図を考えた使用がされているのだ。
