陸上自衛隊のロボット犬Vision60が能登で任務

陸上自衛隊のロボット犬Vision60が能登で任務
写真:陸上自衛隊

陸上自衛隊が導入予定のロボット犬「Vision60」が令和6年能登半島地震の自衛隊の支援活動に登場した。Vision60の自衛隊への導入は2023年に発表されていたが、実際の任務で使用が確認されるのは初と思われる。

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陸上自衛隊の公式Xの投稿によれば、Vision60は災統合任務部隊JTF遊撃隊による輪島市孤立集落住民の2次避難所までの移送支援の一環として、操作訓練を行うとともに使用予定避難経路上の偵察等を行い、避難者の安全な誘導支援を行った。筆者が確認する限りでは自衛隊がロボット犬を実用化しているのを確認するのは今回が初であり、操作訓練も兼ねていると述べているので、配備されてからまもないことが伺える。

実際、自衛隊にVision60が納入されることが発表されたのは昨年3月に千葉の幕張で開催された防衛展示会「DSEIジャパン2023」になり、米国フィラデルフィアに本社があるVision60の開発元であるGhost Robotics(ゴースト・ロボティクス)社が、陸自に3体、空自に3体、計6体のVision60を自衛隊に納品すると発表していた。納入は日本の販売代理店である三菱商事経由という情報があったが、納入済みなのかは不明。今回、陸自が使用しているのは同じく日本の代理店であるエス・ティ・ジャパンから貸与されたものとの情報だ。

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ロボット犬Vision60とは

Ghost Roboticsが開発したロボット犬「VISION60」は情報収集、監視、偵察ミッション(ISR)、マッピング、分散通信を行う持続可能なセキュリティのために設計された4足歩行型無人車両(Q-UGV)プラットフォームの軍用グレード版。4足歩行はスピードは無いが、あらゆる地形や環境で動作する能力を擁し、脚式ロボットは車輪のUGVに比べても、機械的複雑さが軽減され、耐久性、俊敏性、耐久性が向上しており、今回の能登の災害現場でも機動力を損なうことが任務を遂行できる。

遠隔操作、および自律行動が可能で、搭載されたカメラとセンサーで人間の視界をカバーする。得られた情報はネットワークを通じリアルタイムで部隊、本部に共有される。将来的には目標の識別や攻撃の判断を行う”キルチェーン”としての重要な役目を担うものとされている。10kgの積載能力があり、多少の物資運搬は可能。歩行スピードは最大10km/hほどで、稼働時間は3時間、重量は51kgになる。米空軍では2020年9月から基地の警備用として配備されており、自衛隊でも基地の警備用としての用途が主とされている。

たが、ロボット”犬”と言えど、聴覚、嗅覚は実際の犬には敵わないため、災害救助などおいては、救助犬の代わりにならない。災害現場での用途としては今回のような導線の安全確認や偵察になるだろう。

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