ウクライナ軍、S-200対空ミサイルを復活させ、対地攻撃に使用

ウクライナ軍、S-200対空ミサイルを復活させ、対地攻撃に使用
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対地ミサイルが不足するウクライナ軍はソ連時代の古い長距離対空ミサイルS-200を復活させ、対地攻撃に使用していることが分かった。

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7月10日ロシア国防省はウクライナのS-200システムから放たれた4発のミサイルを迎撃したと報告した。S-200防空システムから放たれた4発のV-880ミサイルはクリミア半島、ロシア南部と西部に向かって飛行したが、ロシア空軍参謀長のヴィクトル・アフザロフは内2発を電子的に無力化、残り2発は物理的に迎撃されたと報告した。一週間後の7月16日にもロシア国防省は2発のV-880ミサイルを迎撃したと報告している。これら攻撃のターゲットが何だったのかは不明だが、ミサイルは本来の用途である空中標的を狙ったのではなく、地上目標を狙う対地ミサイル、弾道ミサイル的な用途で使用されたとされている。

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S-200防空ミサイルシステムとは

S-200対空ミサイル

S-200は1960年代にソ連で開発された長距離高高度防空ミサイルシステム。冷戦下の中、米国の高高度戦略爆撃機・偵察機に対抗するために開発された。探索レーダーの探知範囲は600km、火器管制レーダーは270km。ミサイルの射程はバージョンによって異なるが150~300km。高度は300~20,000m、後期型では35,000mまで拡大している。誘導方式はセミアクティブレーダーホーミング、近接信管を搭載。1980年代までソ連及び、ワルシャワ条約機構の国々の防空を担っていたが、1970年代に後継のS-300が登場すると、徐々に防空ミサイルの主役の座はS-300に置き換わり、少なくとも2010年代にはロシア軍から姿を消し、多くの国でも既に退役している。

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対地ミサイル不足のウクライナで復活

ウクライナ軍は対地ミサイルが不足している。最近でこそ、イギリスとフランスから射程250km超えのストームシャドー/SCALPが提供されてはいるが数は多くなく、使用は限られている。国産の巡航ミサイル「ネプチューン」や弾道ミサイル「ヘリム2」、ソ連製の弾道ミサイル「トーチカU」の使用のニュースも最近は聞かなくなり、ウクライナ軍が保有していた対地ミサイルの在庫は底を尽きたと考えてい良いかもしれない。そこで、目を付けたのがウクライナ軍では2013年に全て退役して倉庫に眠っていたS-200だ。対空ミサイルとしての射程は最大300kmだが、弾道ミサイル的用途で使用すれば、その射程は最大500kmになると言われており、これはウクライナが保有していた対地ミサイルの倍近い射程で、ロシア領内の奥深くまで攻撃が可能だ。精密攻撃はできないが、220kgの大型弾頭を搭載、軍事基地や空港など拠点攻撃に有効だ。ちなみに北朝鮮もS-200を弾道ミサイルとして使用、2022年11月に日本海に向けて発射されたのはS-200だった。ロシアはS-300を対地ミサイルとして使用していることが確認されている。

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巡航ミサイルが枯渇したロシアはS-300防空ミサイルで地上攻撃を行っています

ウクライナは防空システムも不足しており、広範囲をカバーできるS-200を本来の用途で使用すればと思うが、センサーと誘導システムの老朽化、機動性の欠如により、現代兵器に対抗できないという理由で廃止されているので、防空は担えないという判断なのだろう。隣国ポーランドもS-200を保有しており、防空をパトリオットシステムに切り替えている同国はS-200をウクライナに提供する予定だ。

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Source

Soviet S200s delivered to Ukraine are ballistic fire adapted

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