米陸軍の研究開発部門は、マズルブレーキとサイレンサーを組み合わせた新世代の複合型マズルサプレッサー「Smuzzle」を開発しています。一つのパーツで銃の発砲音を低減するだけでなく、連射時の反動を低減することができる一石二鳥のパーツです。
榴弾砲から応用
Techlinkの報道によると米陸軍のCCDC陸軍研究研究所、CCDC兵器センターに所属する3人の研究者は、マズルブレーキを内蔵した特殊なライフルサプレッサーを発明しました。既に特許は取得済みです。この特許をビジネスパートナーにライセンス提供する準備はできてり、取得すれば軍用または非軍用の販売用に製造することができます。
研究者たちはもともとは155mm榴弾砲用にマズルブレーキの改良に取り組んでいましたが、流体力学の知識を7.62mm機関銃のM240B(写真上)に応用しました。彼らの使命は、その音と重さから「豚」と称されるこの機関銃を静かにしながら、リコイルとマズルフラッシュを低減することでした。大口径と小口径の銃口の抑制装置の原理はともに同じであり、応用自体は難しくありませんでした。
Smuzzleのマズルブレーキはライフルの反動を打ち消すために、ショットごとに加圧ガスを上下の小さな穴からガスを排出ことにより、射手が感じる衝撃エネルギーを打ち消し、次に、銃口を押し下げ、銃を少し前方に引きます。これにより反動力を50%減少させ、砲口炎は25%減少すると言われています。反動を抑えることにより、連射時でも銃口の跳ね上がりは抑えられ、正確な連射射撃を実現します。Smuzzleの内部では、3つの消音バッフルがブレーキバッフルの前に配置されています。この設計により、低圧で長時間にわたってガスを散逸させることができ、発砲音を抑えています。
Smuzzleの全長はわずか3インチ(7.62 cm)、重量は0.5ポンド(226グラム)です。テスト結果は良好で、耐久性も問題ありません。毎分600発の連射に耐えることができ、設計上は10,000発以上の弾丸を発射しても、音、反動の減少、連射精度を維持し続けます。
次期分隊支援火器NGSWの候補
「マズルブレーキとサプレッサー、どちらを採用すべきか?」というのは軍の長年の課題でした。しかし、Smuzzleはそれを解決します。折しも米陸軍は現在、次期分隊支援火器NGSW(Next Generation Squad Weapon)の選定中です。SIG Sauer、General Dynamics、Textronの3社が銃の最終候補であり、True Velocityが新しい6.8mm弾を提供。Vortex OpticsとL3Harrisが射撃統制システムの最終候補です。マズルブレーキサプレッサーは銃を開発する各社が合わせて開発していました。しかし、Smuzzleの登場により、これに置き換わるかもしれません。
[adcode] https://www.thefirearmblog.com/アメリカ陸軍が現在選定を進めている次世代分隊火器”Next Generation Squad Weapon”(NGSW)。M4アサルトライフル[…]
[adcode]M4A1とM249といえば、長らくアメリカ軍の主力小銃と分隊支援火器として活躍してきた銃で世界中の軍隊でも採用される優れた銃だ。しかし、採用から既に25年以上が経過しており、現在、アメリカ陸軍ではこれらのリ[…]
https://techlinkcenter.org/news/the-us-army-has-invented-a-muzzle-brake-that-is-also-a-suppressor