昔の指揮官がピストルしか持っていなかった理由

昔の指揮官がピストルしか持っていなかった理由
1916 自由をかけた戦い

第二次大戦より前の戦争映画を見ていると気になることがあります。兵士が皆ライフルを装備しているのに、指揮官だは小さなピストルしか持っていないことです。それこそ、これから塹壕を飛び出し、敵に突撃しようとしているのにです。ピストルは軽くて短く、その上、速射性が高いというメリットはありましたが、ライフルと比べると精度も威力も射程も格段に下がり、至近距離ではないと敵を仕留めるのは難しく、致命傷を与えにくいと、戦場で敵と対峙する上では心許無い銃です。なのに、なぜ?昔の指揮官はライフルを装備せずにピストルだけしか装備しなかったのでしょう。

sponser

指揮官の役目は指揮すること

戦場のアリア

指揮官の役目はライフルを構えて前線で戦い、敵陣に突っ込み、自らの手で敵を殺すことでありません。戦略、戦術を考え、それを部隊に伝え、リーダーシップを発揮して部隊を鼓舞、指揮して勝利に導くことです。そのため、ある程度、後方に位置し、戦況を見極める必要があります。また、指揮官が亡くなれば部隊の指揮統制が乱れるため、積極的に前線に出て戦闘に参加することは少なかったので、わざわざ重くて、かさばるライフルを持つ必要がありませんでした。

射撃が上手くない

そもそも、指揮官といった将校は全体的に射撃が上手くないというのがあります。将校は基本、士官学校の卒業後、部隊に配属されると直ぐに部隊の指揮を任されます。そのため、訓練や実戦で射撃を行う機会はほとんどないので、射撃が上達しません。

ピストルは最後の手段

なので、そもそもピストル自体も使用することはまれで、指揮官がピストルを使用する時、それは指揮官自ら突撃、または部隊が壊滅、敗走する時になります。敗走時、身軽な指揮官は素早く退却できます。逃げながら反撃する上ではピストルの方が最適です。また、第一次大戦頃まで将校は馬で移動することが多かったので、乗馬時、ライフルは邪魔になりますが、ピストルは邪魔になりません。そして、最悪、自決する手段になります。

sponser

部隊を鼓舞、または威厳を示すため

昔のピストルは一種の装飾品であり、将校としての象徴でもありました。時にはピストルを掲げ味方を鼓舞し、拳銃を敵に差し出すことで敗北を認めました。逃げ出そうとする、軍務に背く兵士に銃を向けて脅すといったことにも使われました。

昔からの伝統

銃が誕生する前、戦場での武器はパイクやロングボウといった槍や斧、弓やクロスボウ、そして剣がメインの武器でした。中でも剣は貴族や騎士が持つ武器であり、身分を示すものでもあります。もちろん、それは彼らが馬に乗るためという理由もありましたが、その伝統を受けて将校がピストルを持つようになったとも言われています。日本でも刀を携えていたのは武士だけです。

第二次大戦頃になると、指揮官が標的にされることが増え、見た目から指揮官とわかるような装備は止め、一般歩兵と同じライフルを装備するようになり、ピストルのみしか装備しないということは無くなりましたが、伝統としては続いており、主に陸軍の将校クラス(陸自は三佐以上)は今でも拳銃を携行しています。

sponser
sponser
昔の指揮官がピストルしか持っていなかった理由
フォローして最新情報をチェックしよう!