中国が第6世代戦闘機コンセプトを公開!NGADに対抗か

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中国で開催されていた航空ショー「珠海航展(中国国際航空宇宙博覧会)」で中国版の第6世代戦闘機のコンセプトが公開された。尾翼を持たないその機体デザインはアメリカが開発する第6世代戦闘機NGADに似ており、先行するアメリカへの対抗が透けて見える。

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米空軍の第6世代戦闘機NGADが開発段階に入る
空軍研究所AFRLのNGADのコンセプトアート

航空機開発で長年世界をリードしているのはアメリカであり、2000年代初頭には第5世代ステルス戦闘機であるF-22を世界で初めて実用化した。二機目のF-35は既に年間約150機ペースで生産されており、生産予定数は3000機を超えている。更に次の世代である第6世代戦闘機NGAD(Next Generation Air Dominance)の本開発に今年6月から着手。2030年代の就役を目指している。それを猛追するのが中国であり、2017年に就役した国産の第5世代戦闘機のJ-20は既に200機以上が生産されているとされ、二機目のJ-31も就役間近とされている。額面通りに捉えれば第5世代戦闘機に関してアメリカに次ぐ規模と技術力を持っており、且つ、追いつこうとしている。

昨年9月には米空軍航空戦闘司令部のマーク・D・ケリー将軍が中国が第6世代戦闘機の開発に着手していると述べていた。であれば、今年開発に着手したアメリカよりも先を行っていることになる。これまで中国の戦闘機はアメリカやロシアの技術を盗む、またはコピーしてきた後追いだったが先行するのは初かもしれない。ただ、中国が公開した機体はレーダーの反射面を減らすことが可能な無尾翼を採用しており、これはアメリカのNGADと同じ。この無尾翼で今の戦闘機以上の高速飛行と操縦性を実現するには新しい技術が必要になるが、これが難しい。アメリカがNGADの本開発を始めたのは今年からとは言ったが、計画自体は2010年代初頭から検討が始まり、2015年には実験機の開発を開始、そして、2020年9月には既にプロトタイプが完成し、飛行に成功したことをアメリカ空軍は発表している。そして、中国がそれらの情報を何かしら入手している可能性はある。

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複座型のJ-20S戦闘機は3機のGJ-11無人機と連携、早期警戒、電子ジャマーと情報戦を担うとされる

そして、第6世代の定義とされているのウィングマンと呼ばれるドローンの群れの制御と電子戦、レーザー兵器の搭載だ。ウィングマンと電子戦についてはアメリカがF-35、中国は現在開発中のJ-20の複座型であるJ-20Sで実現しようしている。レーザー兵器についてはアメリカが既に戦闘機搭載型LANCEを開発し、テストに入っている。

中国の第6世代戦闘機を開発しているのはJ-20を開発した成都航空工業公司 (CAC)になり、中国では最も技術を持つ航空機メーカーだ。中国人民解放軍と同社は2035年までに第6世代戦闘機を就役させようとしている。アメリカとしては先に中国に第6世代戦闘機を開発されるわけにはいかず、今後、米中間で熾烈な開発競争が展開される。

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