デルタフォース|最強で秘密の多い特殊部隊の正体、装備は?

デルタフォース|最強で秘密の多い特殊部隊の正体、装備は?
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世界最強の特殊部隊はどこかといわれて、真っ先に思い浮かべる部隊の一つがアメリカ陸軍特殊部隊「デルタフォース」だ。この部隊、最強といわれながらも情報は機密扱いで、謎多き部隊でもある。しかし、2019年にはイスラム国リーダーのバグダディ容疑者殺害に参加したことが公になるなど、少しづつだが情報が増えてきている。世界最強の特殊部隊といわれるデルタフォースについて紹介する。

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部隊概要

一般的にはデルタフォース、またはデルタと呼ばれているが、デルタの正式名称は「1st Special Forces Operational Detachment Delta/1st SFOD-D」で、日本語にすると”第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊”と記される。実はこの名前、最近、二度も変更されており、”Combat Applications Group(CAG)”に変更され、その後、現在の部隊の正式である”Army Compartmented Elements(ACE)”となっている。また統合特殊作戦コマンド内では”タスクフォースグリーン”と呼ばれるなど呼び名は多い。だが、世間一般的には「デルタフォース」という名が広く使われている。

成り立ち

テロが相次いだ1970年代。テロリストに対応するためには通常の軍隊よりも迅速に行動対応できる部隊の必要性を感じた米国防総省は特殊部隊の創設を提唱していたチャールズ・ベックウィズ大佐に部隊の創設を命じた。当時、米陸軍内には既に「グリーンベレー」という特殊部隊があったが、同部隊はゲリラ戦や心理戦に秀でた部隊で、対テロという観点では少し違っていた。そこでベックウィズ大佐は自身が以前、訓練にも参加していたイギリスの特殊空挺部隊SAS第22特殊航空連隊をモデルに2年に及ぶ訓練を経て1977年にデルタを創設した。

任務

主な任務はテロ対策(CT)、テロリストに捕らわれた人質救助、 テロリストの捕獲若しくは排除、 テロリストに関する情報収集、要人の保護など。

所属

米陸軍の特殊部隊だが、アメリカ特殊作戦軍(USSOCOM)内の統合特殊作戦コマンド(JSOC)の指揮下にある。本部はノースカロライナ州フォートブラッグの陸軍特殊作戦軍団基地にあり、部隊の秘密を守るため基地は壁に覆われており、中を覗くことはできない。施設には射撃場やプールといった訓練施設は勿論、特殊作戦をこなすための「恐怖の館」といわれる市街地を模した訓練施設など様々な状況を想定した模擬訓練施設が設けられている。

組織構成

組織体系もSASをモデルにしており、4つの直接行動連隊を有し、それぞれ200~300人程の隊員を有している。連隊は3つの部隊から構成され、2つの直接攻撃部隊と1つの偵察部隊から成る。隊の最小行動単位は4人。

・作戦行動部隊(A,B,C,D各連隊)
・航空部隊(E連隊)
・秘密作戦グループ(G連隊)
・戦闘支援部隊
・核廃棄部隊(G連隊)

隊員の多くは同じ米陸軍内の特殊部隊グリーンベレーや第75レンジャー部隊出身から成る。その比率は7割以上に上り、米陸軍内のエリート特殊部隊員が集まった部隊だ。

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デルタフォースの隊員募集ビデオ

特別ミッションユニット

デルターフォースは米軍内でTier1に分類される特殊ミッションユニット(SMU)だ。SMUは ”ブラック・オプス” とも呼ばれる最も機密性が高い秘密作戦に当てが割れる部隊で、海軍からは「チーム6DEVGRU」、空軍からは「第24特別戦術飛行隊」、そして同陸軍内の「インテリジェンスサポートアクティビティ」と4つしかないユニットの一つで、高度な作戦能力と隠密作戦が遂行できる部隊である。

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デルタが参加した有名な作戦

イーグルクロー作戦

イーグルクロー作戦

デルタフォースが初めて参加した作戦で、その存在が明らかになった作戦でもある。1980年、イラン革命に伴い反米感情が激化し、民衆によってテヘランのイランアメリカ大使館が襲撃され、職員とその家族53人が人質になった。人実を救出すべくデルタフォースを出動させるが、隊員を乗せたヘリが途中で強風にあおられ墜落、多数の死傷者をだして失敗した。

モガディシュの戦闘

ブラックホーク・ダウン (字幕版)

ブラックホーク・ダウン』として映画化されたことでも有名になった戦闘。1993年、ソマリアの内戦に介入していた米軍はソマリア民兵のアイディード将軍を捕えようとデルタフォース、第75レンジャー連隊ナイトストカーズといった混成部隊(タスクフォース)を編成して作戦を開始。しかし、2機のブラックホークヘリが撃墜され、パイロットを助けようとした2人のデルタフォースが民兵によって殺害された。結局18名の米兵が戦死するなど多くの被害を出し、米軍はソマリアから撤収した。

カイラ・ミューラー作戦

本来、デルタフォースの作戦参加は秘密の筈なのだが、自慢したがり屋のトランプ大統領が作戦終了後直ぐにデルタフォースの参加を公表してしまった作戦。2019年10月26日、イスラム国リーダーのバクダディ容疑者の潜伏先を見つけた米軍は殺害作戦を開始。デルタフォース、レンジャー部隊から成る部隊はナイトストーカーズが操縦するヘリに乗り、潜伏先を急襲。最後はデルタに所属する軍用犬が追い詰めバグダディは自爆して死去する。軍用犬も本来は機密扱いなのだが機密扱いを解除してトランプは自身のTwitterで写真を公開した。

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ISIS/ISILの最高指導者を殺害したのは米陸軍特殊部隊デルタフォース
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装備

ISIS/ISILの最高指導者を殺害したのは米陸軍特殊部隊デルタフォース

デルタフォースに関する情報は秘密扱いで、装備に関する情報も明らかにされていない。彼らが参加する任務は秘密作戦であり、身元を明らかにするものは装備できず、基本、明らかにアメリカ軍と分かるものも装備しない。また、その作戦の性質上、装備の柔軟性と自律性が認められており、ある程度、自由に装備を決める事ができる。ガンスミスと呼ばれる職員が隊員の要望や作戦内容に合わせて銃や照準器、その他アクセサリーを用意する。

HK416

装備情報が少ないデルタだが、アサルトライフルはヘッケーラー&コッホ社の HK416をメインに使用しているとされている。M4カービンをベースにしており、同じく特殊部隊に愛用されているM4A1、MK18 CQBRよりも信頼性が高いといわれている。DEVGRUも主要アサルトライフルとして採用している。

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Glock22

デルタのサイドアームと標準装備されている40口径の.40S&W弾を使用する自動拳銃。任務が多い砂漠地帯でも砂によるジャムが少なく隊員からも信頼されている。

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Colt M1911

Colt 1911は文字通り1911年に誕生した銃で、既にパテントが切れており、近代化したバージョンが各社から数多く出ている。デルタが1911を好む理由は強力な.45ACP弾を使える点だ。またデルタ創設者のチャーリー・ベックウィズ大佐も愛用していた銃でもあり、伝統と装備され続けているとされるが、装弾数も少ないこともあり、実際に戦地で使われているかは不明だ。

1911 ナイトウォーリア コンバットカスタム

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Source https://www.military.com/special-operations/delta-force.html

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