エクラノプラン|カスピ海の怪物と呼ばれた地面効果翼機が復活する

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エクラノプラン|カスピ海の怪物と呼ばれた地面効果翼機が復活する
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地面効果翼機(WIG)というのをご存知だろうか?飛行機ののように翼を物をもった乗り物になるのだが、翼は飛行機より短く、空高くは飛ばず、水面や地面から高度10メートルほどをすれすれに飛ぶ。スターウォーズで見るようなちょっと浮いて走る乗物のように。言ってみれば車と航空機の間の乗物だ。一見、中途半端な乗り物だが、翼と地面すれすれを飛行することで強い揚力を得る事ができ、車には無いスピードと、同サイズの飛行機よりも大容量の荷物を積載することができる。この分野で世界を先行しているのがロシアで、これまでに唯一大型機で実用化されたのが同国のエクラノプランになる。一時は廃れたエクラノプランだが、近年、ロシアはこれを復活させようとしている。

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カスピ海の悪魔

大型の高速地面効果翼航空機の研究に関して、ロシアはソ連時代の1940年代から開発してきた。アメリカの諜報員は冷戦時、カスピ海の水面すれすれを高速で飛ぶ大型のWIGを見て「カスピ海の怪物」と呼んだ。

その巨大なWIGは1966年に開発されたエクラノプランKM(写真上)という名前になり、全長約100メートル、速度は最大500 km / h、離陸重量は最大540トンと当時の航空機としては最大の航空機だった。その後1972年には中型で車両二台と150人の兵士を乗せて強襲するA-90オリョーノク(orlyonok)が開発される。

ズベズダ 1/144 A-90 オリョーノク 半飛行式高速艦 プラモデル ZV7016

1986年には大型の「ルーニ」(写真下)型が開発される。同機は全長73メートルで、上部には対艦ミサイルの「モスキート」6発を搭載していた。これは巡洋艦に匹敵する攻撃力であったが、ルーニは巡洋艦の10倍の500km / hを超える速度を誇り、超低高度を飛行するため、長距離レーダーでの探知は難しく、当時の西側諸国にとっては巡洋艦よりも脅威だった。

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課題が多かった

エクラノプランは課題が多かった。まず、飛行できるのは平らな地面か、比較的安定した水面と運用できる場所が限られた。当時のソ連ではエクラノプランは基本的に水面で運用され、配備されたの海上ではなくカスピ海になる。”海”と呼ばれているが、日本とほぼ同じ面積をもつ世界最大の湖になり、湖面は海と比べて穏やかになる。また、通常の港湾施設に入港できないので、専用の施設が必要になるので運用コストが高くついた。一般的な航空機に比べて積載量が格段に上がったが、それに耐えうる強度が不足がしていた。水面すれすれを飛ぶという事は水面に衝突する可能性が高く、高速で飛行して水面にぶつかった時の衝撃は大きく、損傷や墜落を繰り返した。120機生産させる予定だったエクラノプランは結局、4機しか生産されず、予算削減、ソ連の崩壊もあり、現在残るのはルーニ型1隻のみになる。これも予備役になり稼働していない。

新たなエクラノプランの開発

ソ連崩壊後もエクラノプランの開発は細々と行われ、主に民間向けの小型機体がメインだった。しかし、近年、軍事用の大型機の開発が復活しようとしている。ロシアは現在A-050-742D「チャイカ2(Chaika-2)」と呼ばれる新世代の地面効果航空機を開発している。この機体は超音速巡航ミサイルのジルコン(3M22 Zircon)、ブラモス(BrahMos)を搭載し、海や氷上の上を飛行することができる。将来的にはロシアの北海と北極海での任務を遂行する予定になり、「カスピ海の怪物」から「北の怪物」になるかもしれない。2022年には検証機が完成する予定だ。

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https://jp.rbth.com/science/79192–ekranoplan

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