インドネシア国防省とアメリカの航空宇宙メーカーBoeing(ボーイング)社はインドネシア空軍の機体の近代化のためボーイング社製のF-15EXイーグルIIの売却に合意したことを発表しました。
ロイターなどの報道によれば21日月曜、インドネシアのプラボウォ・スビアント国防大臣はミズーリ州セントルイスにあるボーイング社の施設を訪れ、F-15EX戦闘機24機購入の覚書に署名したことを発表しました。この取引には米国政府の承認が必要ですが、今年2月に米国務省は36機のF-15EXをインドネシアに売却することを承認していました。インドネシアは老朽化したアメリカのF-16とロシアのSu-27両戦闘機の後継機を探しており、これらはF-15EXにとって代わります。インドネシア空軍版は”F-15ID”と呼ばれます。
F-15EXはF-15戦闘機シリーズの最新バージョンであり、採用している国はアメリカ、イスラエルの2カ国のみであり、インドネシアは3か国目になります。ボーイング社は月曜の声明で、この契約により「インドネシアが制空能力の頂点に立つ」と述べています。確かにインドネシアはF-15EXを手に入れることで地域最大の空軍能力を持つことになります。
フランスのラファール戦闘機も購入している
インドネシアは今年2月に後継機としてフランスのダッソー社のラファール戦闘機42機の購入を決定していました。これにより、F-15EXは競争に敗れたと思われていました。しかし、ラファールの契約が発表された同日にアメリカ国防安全保障協力局(DSCA)はインドネシアへの「F-15ID(F-15EXのインドネシア版)および関連機器、推定139億ドルの費用での対外有償軍事援助の可能性を承認する決定を下した」と発表していました。つまり、インドネシアにはF-15EXを購入できる余地があったのです。インドネシアとしてもアジア太平洋地域の安全保障状況が揺らぐ中、アメリカとの関係は維持したいと考えていました。昨年にも共同軍事演習を実施しており、米軍との共通装備を持つことで軍の連携強化を図りたい狙いがあったと思われます。
Photo US Air forceインドネシアは老朽化したF-16とSu-27に代わる次期戦闘機としてフランスのラファール、ロシアのSu-35、アメリカのF-15EXの3機種から検討を行っていました。Su-35はアメリカからの圧[…]
第4.5世代戦闘機と言われるラファール。そして、第4世代戦闘機としては最新のアビオニクスと攻撃力を備えるF-15EXを採用するインドネシア空軍は東南アジア最大の空軍力を手に入れることになります。さらに同軍はカタールから中古のミラージュ2000戦闘機12機も購入しています。これはラファールとF-15EXの切り替え時の空白期間を埋めるためです。
qatar airforceインドネシア国防省は15日、カタール空軍が保有していた12機の中古のミラージュ2000‐5戦闘機を約12兆ルピア、8億ドルで購入することを発表しました。しかし、この価格、市場価格の二倍にもなり、インドネ[…]
F-15EX
F-15EXイーグルII戦闘機は、老朽化したF-15C/Dを置き換えることを目的に2021年に開発されたF-15イーグル戦闘機の最新近代化モデルです。レイセオンが開発した最新のアクティブ フェーズド アレイ (AESA) レーダー、新設計のコックピット、フライバイ有線飛行制御と電子戦システムを搭載。新しいターボファンエンジンにより、最大離陸重量は81,000ポンド (36,741 kg)に増加、最大12発の空対空ミサイルが搭載可能です。
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