米海兵隊は海洋進出を活発化させる中国を睨み、今後、より激しさを増すであろう海上スペースと離島の攻防を戦うための新しい部隊「海兵隊沿岸連隊(MLR)」の創設を計画している。その司令部の一つは日本に置かれる予定だ。
司令部は日本
海兵隊沿岸連隊(Marine Littoral Regiment:MLR)の創設は2020年3月に発表された『 Force Design 2030』に基づく計画の一部。この計画では2030年までに戦車大隊を排除し、ティルトローター、ロータリー、固定翼中隊の数を削減。現役の海兵隊員の数も、今後10年間で約16,000人減少させる。削減された一部はドローン、無人兵器に回される。そして、これらの計画のファーストステップがMLRの創設だ。今後、海兵隊は中国及びインド太平洋地域の敵への対応に重点が置かれ再配備される。第1、第2、第3と3つのMLRを創設する予定で第1連隊はハワイに置かれることが決定しており、第2・第3連隊はそれぞれ日本、またはグアムに配備される。日本に置かれる部隊は沖縄に司令部がある第3海兵遠征部隊(MEU)の傘下に置かれる予定で、自ずと同連隊の司令部も日本に設置されることになる。第一連隊は2023年まで初期運用能力に達しハワイに配備され、その後、第2・第3連隊が沖縄、グアムに配備される予定になっている。
海兵隊沿岸連隊(MLR)の概要
MLRは沿岸や離島での戦闘に特化した部隊で1800~2000人ほどの規模を予定している。連隊は3つの部隊で構成される。
・沿岸戦闘チーム(LCT)
・沿岸対空大隊
・沿岸兵站大隊
沿岸戦闘チーム(LCT)
LCTは長距離対艦ミサイル部隊と歩兵大隊を中心に編成されている。LCTは、複数の小隊規模の遠征前哨基地 (EAB) を稼働するための基盤を提供できるように構成されており、これらの基地は、長距離対艦射撃、航空機の前方警戒と給油、重要な海上地形の情報収集・監視・偵察 (ISR) 、防空および早期警戒などの様々な任務を可能にする能力を擁する。
沿岸防空大隊
沿岸防空大隊は、防空、航空監視および早期警戒、航空管制、前方再軍備および燃料補給の能力を提供できるように構成されている。
沿岸兵站大隊
沿岸兵站大隊は、前哨基地への補給、貯蔵庫・物資の管理、より高度な兵站提供者との連絡を通じて、MLRに戦術兵站支援と医療、メンテナンス能力を提供する。
まずはハワイの第3海兵連隊が沿岸連隊に変更される。試験運用を経た後に部隊運用の体制が整った後で、第4、第12海兵連隊も沿岸連隊に移行される予定だ。
装備
車両は機動性が高いJLTV軽戦術車や水陸両用車が配備される。他に巡航ミサイルを搭載した高機動砲兵ロケットシステムやロケット砲を搭載した無人車両も配備される予定だ。航空機に関してはドローンや無人航空機が倍増させる。
https://news.usni.org/2020/06/04/marines-testing-regiment-at-heart-of-emerging-island-hopping-future