日本もついに無人攻撃機の開発へ!先行する中国の無人攻撃機

日本もついに無人攻撃機の開発へ!先行する中国の無人攻撃機
3月に三沢基地に着陸した空自納入1機目のグローバルホーク(出典:航空自衛隊)

6月3日の日経新聞の報道によると、日本もとうとう、無人攻撃機の開発に乗り出すことが分かった。開発は米国の技術協力のもと行われ、2025年までに試作品の開発、2035年までの配備を目指している。2035年というと航空自衛隊が計画する次期戦闘機「FX(Fighter X)」の就役目標と重なる。開発される無人機は戦闘機支援を目的としたものになり、FXには無人機の制御機能が搭載されていると噂されており、無人機はFXとの連携をみすえたものになると思われ、アメリカが開発を進める第6世代戦闘機NGADと同じコンセプトになる。無人攻撃機は既に世界の軍の主流になりつつあり、うれしい話だが、日本は今のところ無人攻撃機を保有していないく、数年以内に保有するという話も聞かない。もし、2035年が初では遅すぎる。

日本経済新聞

政府は戦闘機を支援して飛ぶ無人機の開発に乗り出す。戦闘機に代わって接近する敵機やミサイルの早期探知に使い、警戒監視の効率…

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2020年に無人機は戦争のゲームチェンジャーになった

ウクライナ軍が使うトルコ製ドローン「バイラクタルTB2」がロシア軍を撃破
バイラクタルTB2 (Photo Baykar)

ロシアによるウクライナ侵攻でドローン・無人攻撃機に注目が集まっており、ゲームチェンジャーと言われているが、無人攻撃機の戦地の投入は大分前から行われている。いち早く戦地に投入したのは米軍になり、1995年から無人攻撃機のRQ-1 プレデターをイラクやアフガニスタンといった中東に配備。偵察や攻撃任務を行ってきた。ただ、アメリカの場合は圧倒的航空優位を保持した上で無人機を投入しており、戦局に影響を与えるようなものではなかった。無人機が戦局に大きな影響を与えると認識されたのは2020年ナゴルノ・カラバフ紛争になる。アルメニアとアゼルバイジャンとの間で起きたこの戦争はアゼルバイジャンの勝利で終わった。もともと国力ではアゼルバイジャンの方が上で、アゼルバイジャン優勢と思われたが、戦局の決め手となったのは無人機・ドローンの運用とされている。トルコの支援を受けていたアゼルバイジャンは今のウクライナと同様に無人攻撃機のバイラクタルTB2や自爆ドローンの提供を受け、戦場に投入。これでアルメニアの陣地を丸裸にして、効果的な攻撃を行い勝利した。強度の高い戦場での無人機、ドローンの有効性を各国が再認識、さらに評価を高めたバイラクタルTB2には注文が殺到、10か国以上が採用を決めた。ウクライナは以前より購入していたが、追加購入、国内でのライセンス生産を決めた。

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無人機先進国”中国”

アメリカやトルコと並び軍用無人機で先行しているのが中国になる。そもそも民間市場向けドローンにおいては世界で最もシェアが高いのが中国企業となり、そこで培った技術は自ずと軍事転用されている。中国は昨年、宮古海峡にBZK-005とTB-001の2機の無人機を飛行させた。どちらも中国本土から日本領空を往復飛行する飛行能力を持ち、ミサイルや爆弾を搭載することが可能だ。

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東シナ海に飛来した中国人民解放軍ドローンTB-001とBZK-005

さらに中国は無人ステルス機の「CH-7」、「GJ-11」を開発。GJ-11は2019年の軍事パレードにも登場している。他にも艦船搭載型の無人攻撃ヘリ「ゴールデンイーグルCR500」など多種多様な軍用無人機を開発。先日、中国国営放送のCCTVが空母”山東”に無人機を配備したことを報道している。更にドローンを搭載するための世界初の無人マザーシップ「朱海雲(Zhu Hai Yun)」も進水。能力はともかくとしてやっていることはかなり先進的で世界をリードしている

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写真 中国国務院2020年に中国人民解放軍(PLA)に正式採用された無人ヘリコプタータイプのUAV「ゴールデンイーグルCR-500(Ch:金雕CR500)」が9月28日に中国南部の広東省珠海で開幕した「第13回中国国際航空宇宙展示[…]

中国のゴールデンイーグルCR500無人ヘリの火力は攻撃ヘリに匹敵します

中国の無人機の実際の能力は不明な点が多いが、少なくとも中国本土から日本領空まで飛行可能な無人機を持っているのは明らかで、それは非常に脅威だ。

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自衛隊はようやく2022年に無人機RQ-4Bグローバルホークを導入したが、同機体は既に米軍では退役が進んでいる機体で攻撃能力はなく監視偵察活動のみになる。敵の無人機が飛来してもそれを迎撃する能力は無い。護衛艦いずもに搭載が検討されているとされるアメリカ製のRQ-21MQ-8Cも偵察監視活動が主で攻撃能力はない。見てるだけで全くの無力だ。

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航空自衛隊の無人航空機部隊に配備されるグローバルホークとは?

今回、日本が開発する無人機にはミサイルが搭載される予定で空対空能力も付与される予定だ。しかし、もし、これが日本初の無人攻撃機導入では遅すぎる。今後、中国は有人機に代わり無人機の飛来が増すことが考えられ、それに対し、現状、航空自衛隊は有人戦闘機をスクランブル発進させるしかなく、機体を消耗するだけになり、費用対効果は最悪だ。有人機の出撃では、こちらが疲弊するだけになる。無人機には無人機を2035年を待たずに無人攻撃機の調達は必要だ。

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