アメリカ陸軍は、部隊の基本戦闘部隊に開発中の「次世代分隊火器(NGSW)」を導入するにあたり、歩兵部隊の分隊規模を変更すべきかどうかの検討を行っています。
現在の分隊規模は9名
米陸軍の分隊規模は第二次世界大戦時で12名、ベトナム戦争で10名、1980年代から現在の9名となり、現在は分隊長(軍曹)と射撃班長(伍長2名)、ライフル兵(2名)、分隊支援火器射手(2名)、擲弾筒手(2名)で構成され、これを2つの火力チームに分けることもあります。この分隊規模に関しては1990年代から規模が小さいといわれていました。それに比べて米海兵隊の分隊規模は分隊長1名に4名の火力チーム3組からなる13名で構成されています。海兵隊はこれを更に増強すべく15名構成の分隊を検討中です。追加メンバーには「分隊システムオペレーター」が追加される予定で、これはドローンなどを使って分隊の行動を支援するといった、戦場の変化に合わせた役割が追加される予定です。
新兵器が続々導入
米陸軍の分隊規模は何十年にも渡って変更はありません。車両も最大9名搭乗できるものや2台に分けて搭乗できるように分隊規模に合わせて最適化されています。しかし、兵器は進歩し、戦場も変化します。現在、米陸軍が開発を進めているNGSWは今のM4ライフル、M249軽機関銃を取って代わるものです。銃の性能はもちろん上がり、これまでの標準弾丸であった5.56mmNATO弾から、より威力と射程が長い「6.8mm弾」に変わり分隊の火力は上がります。超小型ドローンの「ブラックホーネット(写真上)」が配備され分隊単位の偵察能力は向上、「統合視覚拡張システム(IVAS)」も来年には最初の部隊に配備される予定です。これらの技術はこれまでの戦い方を大きく変えるかもしれません。
分隊の規模は明らかになっていません。分隊の人数が多ければ多いほど、装備、弾丸を多く携行でき、部隊の火力、致死性、生存性も上がります。しかし、規模が大きくなれば機動性と負担は大きくなります。少なくとも現在の9名から少なることはないそうです。